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みんなとおなじ、になりたかった。

 

 

ただそれだけだった。

 

 

幼い頃は幸せな未来が用意されていると思っていた。

 

 

みんなとおなじ、ように幸せな家庭を築くものだと思っていた。

 

 

でもそもそもの話

 

 

私の育っている家庭が異常、だと気づくことがとても遅かった

 

 

もっと早く気付けていれば何か変わったかな

 

 

人は完全な存在にはなれない、と病院の先生は言った。

 

 

でも自分が目指しているのは、

 

 

なりたかったのは

 

 

完全な存在、ではなくて

 

 

ただ普通の人間、だったのだ。

 

 

普通すら求めてはいけないのだろうか。

 

 

感情がうまくコントロールできなくなって

 

 

笑えなくなったり

 

 

突然涙が零れるようになったり

 

 

自分がもっとしっかりしなきゃって責任感ばっかり背負って

 

 

楽しいこともできなくなった、わからなくなった。

 

 

そしていつしか誰かに「メンヘラ」と呼ばれるようになった。

 

 

その瞬間からずっと「異常者」と呼ばれているような気がしている

 

 

嘲笑われている気がしてならない

 

 

なんとかその場を取り繕った。

 

 

正直苦しかった。

 

 

途中から

 

 

自分で「メンヘラ」だからさ〜!

 

 

と、ネタにしてみたら

 

 

もっと苦しかった

 

 

自分の中での日常が壊れていく気がした

 

 

本当は辛かった

 

 

やめてくれと何度も心の中で叫んでいるような感じになった

 

 

もう二度と学生時代なんて来ないだろう。

 

 

でも学生時代が自分の中のトラウマでしかなくて

 

 

記憶から消してしまいたいのに

 

 

なかなか消えてくれない

 

 

それをいつか塗り替える幸せが訪れると病院の先生は言った。

 

 

でもそんなの

 

 

嘘だ。

 

 

そんな幸せは心が壊れる前に

 

 

来てほしかったなあ